「私の正しいババアはいったい何歳なんだ」問題に一瞬にして終止符を打った、50代のあの“痛み”

「ババア」は用法容量を守って正しくお使いください
西澤千央 2026.06.22
サポートメンバー限定

 五十肩になりました。

 親愛なるぷんぷんの皆様、ご機嫌いかがですか。皆様、腕は上がりますか。肩は痛みますか。海は死にますか山は死にますか。おこりんぼコンシェルジュの西澤です。

 五十肩、医学的には「肩関節周囲炎」。四十肩と五十肩に明確な違いはなく、発症したときの年齢によって呼び名が変わるらしい。当方49歳、ギリ四十肩を名乗ることも許されるわけですが、これは間違いなく五十肩です。

 私が40代前半、まだ40代のひよっこだった頃になった「腕が痛くて上がらない」あの症状とは明らかに違うんですよ。なんていうんですか、あの時の四十肩は「オッス!オラ四十肩!これからしばらく腕が後ろに回らなくなるから覚悟してくれよな!」とめちゃめちゃわかりやすく、かつ爽やかにやってきたんですよね。

 でも今回の五十肩はそうじゃなかった。いつからきたのか定かではないくらいひっそりと、気づいたら私の肩から三角筋あたりに住み着いていました。そして西陽があたるアパートのベランダでギターを弾きながら「痛い~痛いよ~内側から痛い~」と歌い上げている。四十肩が悟空なら、五十肩は山崎ハコ。

 つええ相手に出会ってワクワクするのが悟空、コンコンコンコン釘をさす、わらの人形釘をさすのが山崎ハコです。思えば四十肩、初めて出会った「老い」というラスボスにどこかワクワクし、いつか倒してやる、おれならできるはずと意気込んでいたところもありました。でも今の私は、いつ山崎ハコがコンコンするかわからない恐怖に震えながら、なるべくハコがコンコンしない体勢を学び、上着を羽織るという避けられない動作を行う時はただ目を瞑りコンコンに耐える。

 そう、私は老いと静かに同居することを選ばざるを得ないのです。肩関節周囲炎なんて言葉ではとても表せられない、「言うてまだ若いし」という炎を一瞬にして吹き消す諦念の冷や水、それが五十肩なのでした。

 なぜ人は「老い」にビビり散らかすのか、最近よく考えます。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、2033文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
拝啓山里亮太様。『銀河の一票』くらい私たちから持ってかないでくださいよ...
サポートメンバー限定
「男の子二人産んだいうたら『バチ当たった』って…」子どもの性別をやたら...
読者限定
人はなぜ走るのか、人はなぜ書くのか(西澤千央のひとりごと)
サポートメンバー限定
阿部慎之助元監督の復帰を求める署名13万筆超は本当に阿部慎之助を「救お...
サポートメンバー限定
にわか野球女子をバカにする人たちに、にわか野球おばさんが言いたい3つの...
サポートメンバー限定
「生理ネタで髪振り乱して笑う」…女性のための下ネタライブを観て考えた「...
サポートメンバー限定
小泉今日子武道館公演で何が起ったかーー芸能記者によるYahoo!エキス...
サポートメンバー限定
「愚妻論争」から見えてくる、ライターに本当に必要な資質と辛坊治郎の「ド...